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私と千羽鶴

先日増田ことはてな匿名ダイアリーを見てたら自分のことが載ってた。今日はその話。ブクマでは一応否定したけど...ね。


あれは手がかじかむ程寒かった晴れの日か。世の中はバレンタインと浮かれていた中、今年も親からのみかなーといつもながらのんびり過ごしていた。すると、同じ部活だったSが義理チョコをくれた。まぁ本命は同学年にいた、同じ部活だったKだろう。彼の人気は色んなクラスに顔出していた私には嫌と言うくらいに聞こえていた。いくら義理とわかっていても、気に入っていたSからのチョコは他の誰のチョコよりも嬉しかった。
さて貰ったからには返すべきだよなぁと悶々としながら誕生日が過ぎ、3月に入った。小遣いと自分のセンスから導いた答えは千羽鶴だった。何故そこに行き着いたのか、それはSの体がそんな強くない、という理由だった。同じ部活に入ってた、と書いたがあくまでもマネージャーとしてであり、プレイヤーとして活躍していたという事ではない。しばしば保健室で寝ている、というのも聞いた。差し出がましいとは思ったけど、元気になって欲しいという意味を込めて折ったつもりだ。15cm×15cmの折紙をまず折ってみたが大きすぎた。4つ折りにして1辺7.5cmで折り直す。出来るだけ早く作ろうとしたが1日50羽程度で気力が尽きた。なので結局千羽いかなかった。あと、その時は色のことをあまり考えていなかった。
で、ホワイトデー当日、Sを呼んで袋一杯につまった500羽を贈った。少々驚いていたが受け取って貰えた。それで話が済めばよかったのだが、あーして増田に書かれた、ということはSがネタとして誰かに語ったのだろう。私が贈った500羽は今頃どっかで灰になっているのか。


その後、運良く一時遠距離だけど彼女が出来た。その彼女に会いに行く前々日あたりに彼女が車に跳ねられた。車の前方不注意。彼女自身は顔に怪我はなかったけど鎖骨折るなど全治3カ月を負った。その話を聞いた時にはショック受けたが、泣きじゃくりながら謝る彼女をなだめつつ、見舞いに行く事を告げた。改めてホテルを取った。
まさか彼女に会いに行くだけのつもりが、彼女の家族と会う事もあり、緊張しつつ面会に臨んだのは言うまでもない。ホテルに帰る前に何か出来ないものかと考えて思いついたのが千羽鶴だった。滞在期間1泊だったため徹夜して一心不乱に折った。それでも200弱だったと記憶してる。それを一つにまとめて彼女に渡した。後日この一件が彼女の家族と仲良くなれたきっかけになったという事は別の話で。


もしもあの増田のエントリを書いたのがSだったにせよそうでなかったにせよ、この一件を思い起こせてくれた人に感謝する。何か色んな人に出会っているようだが、同じ空の下、あなたの為に少しながら折ってみた。心が荒んでもこの白い鶴のように羽ばたいてこの世知辛い中を元気に飛び回って貰いたい。

尚、言うまでもないが、このエントリはフィクションである。